兄の章と妹の唯は両親が離婚したために母子家庭の環境で暮らしていた。堅物で真面目は章は父親代わりとして唯の面倒を見てきた。ある日の朝、章は唯から男子生徒に告白されたことを聞かされる。章は自分が知らない唯の一面を見てしまったことに動揺が隠せないであった。いつも章の脳裏に浮かんでいたのは泣き虫で甘えん坊の唯の姿だった。ずっと一緒にいて妹の面倒を見ていくことが自分の役目だと思っていた。そして成長した唯がいつか自分の元を離れていく時が来ることも頭では分かっていた。だが唯の口から実際に聞いてしまうと章の胸の奥は苦しくなるのであった。もやもやとした気持ちを持ったまま迎えた夜、章は唯の寝室にいた。心地よい寝息を立てている妹の唯に章は手を伸ばしていくのであった。